行動経済学者ダン・アリエリーによるアメリカでは2008年のアマゾンのビジネス書部門1位にもなった行動経済学のベストセラー本。
大学で1年生のとき教授に勧められて読んだのですが、自分のような初心者でも読みやすく、行動経済学や心理学、マーケティングなど、幅広い分野に興味を持つきっかけになった本なので紹介。
本の概要
- 注文の少ない高級メニューの注文を増やした法則とは
- 道徳心を変えてしまうお金の法則とは
- 価値判断を狂わせる比較(相対性)の罠とは
- 何なぜ人は限定に弱いのか
- 元々安かった黒真珠の価値はなぜここまで上がったのか
- 「無料」は「1セント」比べて、どれだけ人の心を惹きつけるか
など、平たく言えば市場で起きている不合理(非合理)な人の行動選択について広く書かれた本。
自分たちが普段、いかに誘導されてモノを買わされているのかがよくわかります。
ちなみに著者のダン・アリエリーさんは、TEDなんかにも出ている行動経済学の第一人者の一人で、かなりすごい人らしいです。
え?本当に?ってなる話もありますが、信頼性があります。
この本の良かった点
とにかく、経済学・心理学・行動経済学の初心者にも分かりやすく・興味も持ちやすい内容や構成である点がいいです。
具体例で解説しているからわかりやすい
なにか新しい分野を勉強し始める時に、嫌になるのが「用語」を覚えるところから始めなければいけない点。
実際行動経済学で書籍を探すと、難しいデータやら数式がつらつらと並ぶ本が多いのなんのって(;´Д`)
正直、勉強し始めた段階ではそういった本は読む気が湧きません。
しかしこの本は一般向けに書かれた本なので、平易な言葉で書かれています。
Amazonランキングで上位になるのも頷けますね、学術書じみたものだと、広くは読まれませんからね。
実験(理論)ごとの構成が分かりやすい
理解がしやすい構成が魅力で、人がついしてしまっている”合理的ではない行動”についての分かりやすく、興味深い実験をまず挙げています。
その上で実験についての解説をし、さらに実験結果を実生活やマーケティングにどう活かせるかについてまで踏み込んで書かれています。
さすがビジネス書。とにかく実用性重視です。
文章中には行動経済学の専門用語はほとんど含まれておらず、ただ、実験から導かれた事実と法則を紹介しているので、入門にはもってこいの本ではないでしょうか。
ちょっと悪かった点
ビジネス書にかなり寄せてはいるのですが、著者はバリバリの学者。そのせいかちょっと読みにくい点もありました。
一つ一つの実験に対する説明が長い
解説が充実しているという点では良かった点と言えなくもないですが、もう少しあっさりしていても良かったのではないかなと言う印象。飽きる。
一周目は「それで?結果はどうなのよ」ってちょいちょい読み飛ばしてしまいました。
本文以外の部分が多い
共同研究者への諸々とか、あとがきとか、日本人研究者による解説とか、宣伝とかで本の一割近くを使っています。ちょっと、多すぎるような……。
巻末の解説は用語解説もついており、心理学+経済学や経営学の授業をとっていた私にとってはその後の課題レポートなんかでかなり役立ってよかったです。
しかし、本への興味だけで買って読むと少し損した気分になる……かもしれないです。
本へのリンク
日本版が発売されてから5年以上経っているはずなのに、中古でもあまり安くなっていないようです。(19/05/03現在痛みあり中古品最安価でも送料込みで876円/Amazon。価格変動の可能性あり)
新品でもポイント考慮すれば80円差ないですし、新品買っちゃうのも手かと思います。(あと学生ならリンク先→でも紹介している楽天の無料サービス楽天学割で楽天ポイントめちゃくちゃもらえます)
ちなみに、電子書籍版がすごい安かったり。古い本なのになんでだろうなぁ……。
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電子書籍Ver
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まとめ
行動経済学はもちろん、心理学や経済学の入門にももってこいな本。入学間もない時期に勧めてくれた教授には感謝しています。
広く勧めたい本ですが、経済学・経営学系の学科に入った人には特に必読の一冊です。
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